(前回からの続き)
サンフランシスコについてからは精神的には割と落ち着いた。
それは街が狭いので程よい囲まれ感があったからだ。
もう一つはロサンゼルスに比べて安全。
もちろんアメリカだから日本とは違う感覚。
ゲイのカップル
今はLGBTを尊重する世の中なので、これから話すことをそのまま書くのは憚られるかも知れないが、当時の心の動きを描写した物なのでご理解ください。
サンフランシスコは日本でもゲイの街として有名だった。
30年も前のことだが、既にアメリカは性差別が少なかったと思う(現在ほどではないにしても)。
ダウンタウンまで歩いていたら筋肉隆々の男性二人が肩を寄せて歩いているのを見た時はギョッとした。
当時日本ではそこまでの受け入れの度量がなかったのか、かなり偏見を持っている人が大半だったと思う。
性差別意識を持たないように
日本の英会話学校に通っていた頃のあめりかじん先生には、
ゲイは必ずいるし、もしかすると声を掛けられるかも知れないがあからさまな拒否をしてはいけない。
それがつまり、性差別になるから、と。
そしてこう言いなさい「私はゲイには興味がありません」と。
つまりゲイを毛嫌いするのではなく、ゲイとして生まれてきた人に罪はないことを私は理解しているが、私自身はゲイには興味がありませんと言う意思表示をすべきだ。
そう言われていたのですが、やはり当時の日本人としてはかなり抵抗があったことは否めない事実。
男性から声を掛けられることはあったが、普通の態度で接していたので、争いごとは起きなかった。
噂が噂を呼ぶ
色々な人と交友関係ができると色々な考え方と接することになる。
前回登場したKENは日本人ではないので自分の意見をはっきり言う。
誰それはゲイだから近づかない方が良い、とか、誰と誰は付き合っているなどの情報をくれた。
しかし事実かどうかは分からないこともあり、噂を聞いてそう思い込んでいるケースもあったので、英語が中途半端に話せても気をつけるようにはしていた。
キャッシュディスペンサーが道路端にある
道路といっても建物の壁に突如キャッシュディスペンサーがあったりする。
日本では銀行の中に入って現金を引き出すことは普通の光景だが、アメリカは犯罪が多いと言うのに街中の人が大勢通るところに忽然とある。
そんなところでお金を引き出していたら後ろから襲われそうな感じもしたがそれほど犯罪に巻き込まれることはないようだった。
むしろ「スリ」の方に気をつけるべきだと言われた。