アメリカ遊学記その6

前回からの続き)

ホームシックに加えて、ホテル住まいでは話し相手がいない。

少しでも英語が話せる環境にしなければアメリカに来た意味がない。

そう思いリトル東京の掲示板を見たらホームステイの斡旋をしている会社の広告が目に入った。

日本人向けに日本語で書いているので、早速電話をすることにした。

 

英語での電話は恐怖

元々電話が好きな方ではないのに、ろくすっぽ話すこともできない英語での電話はこれ以上の恐怖感はないくらい。

電話口で英語の質問されると本当に困ってしまう。

質問されていることはわかるが、質問の内容がはっきりと分からない。

 

ガチャ切りされるアメリカでの電話

アメリカで電話をして話が通じないとガチャ!と突然着られる。

『こいつ話が通じないな』と思ったら容赦ない。

その点日本人は優しい。

分からなければ分からないなりに会話を続けようとするし、相手が理解していない時は事情を説明して話を終えるはず。

国が違えば文化も違うと言うのはこのことだと思える。

 

ホームステイ斡旋会社に電話をする

最初はHello!で始まるが、日本語で話し始めると日本語で答えてくれる。

まだアメリカに来て2週間くらいなんですが、私は英語を話すために来たのに話す相手がいなくて困っています。

そんな時御社の広告を見てできればホームステイをしたいと思うのですが。

と電話で話をした。

「時間があるようでしたらお越し頂けませんか?その時にどんなファミリーが良いかなど詳細をお伺いします」と言われたので、早速行くことにした。

久しぶりの日本は本当に楽で癒されると思った。

日本にいるときはそれほど話をすることも好きではなかったが、ホームシックもあり、孤独から解放されたことでかなり話し込んでしまった。

翌日ホストファミリーを3組紹介するので来てほしいと言われその日はホテルに戻った。

 

最初のホストは男性1人

独身男性独り住まいの家を訪問。

車好きで話は合いそうだと思った。

「私はホンダファンで日本ではずっとホンダ車ばかり乗っている。」

と言うと興味をしてしてくれ、アメリカでは珍しい右ハンドルの車も見せてくれた。

その他にも車は数台あると言う。

是非うちに来てほしい!と言われた。

人当たりも良いし礼儀正しさも持っていたが一つ気になる事があった。

その家から斡旋会社に戻る車の中でスタッフに単刀直入に聞いてみた

「男性一人と言うのは、もしかしてゲイの可能性はありますか?」と。

それは正直なところ分からない、と言われた。

今(2022年)でこそ性差別のない世界にと言う論調が主流だが、当時はまだそんなこともない時代。

日本に比べればアメリカはそう言う性差別に関しては先進国ではあった。

もちろん、その気がないとはっきりと言えば良いのだが、その後気まずい関係が最低1ヶ月続くことも想定してそのホストはお断りした。

 

3番目のホストに決定

2番目のホストはどんな人だっかは忘れてしまった。

3番目のホストは高齢の女性とたまに娘さんが帰ってくるお宅。

確かユダヤ教徒だったと記憶している。

平家の広い家で私の部屋もかなり広く、車は道路に停めて良い。

アメリカは国土が広いせいか、駐車禁止の場所以外は24時間駐車しても全く問題ない。

ピアノもあるしホストは気を使わなくても大丈夫な感じのご婦人だったのでそこに決めた。

時間のある時は一緒にテレビを観たりして分からないところは説明してくれたりした。

彼女は「日本語のThank youは英語のワニと似た発音をするようね」とおどけた。

アリゲーターとありがとうが似ていると言う意味だ。

なんだ、アメリカでも駄洒落はあるのか、と少し驚いた。

たまに一緒に観るテレビはライブ映像でヘリからの中継がある、警察に追われるカーチェイスが一番エキサイトした。

Look at that!

と良く言っていた。

 

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