（前回からの続き）
ホームステイはそのまま続けながら、ホストには「日本から友人がサンフランシスコに到着するので会いに行く」と言って1週間留守にすることを告げた。
飛行機はバス代わり
アメリカでは飛行機はバスの代わりに過ぎない。
例えば日本で東京から名古屋に行く時に高速バスを利用することがあるが、そんな感覚でありそんな料金なのである。
ロサンゼルスから飛行機でほんの1時間程度。
価格は新幹線のほうが高いが、時間としては新幹線に乗って都市間を移動するような感覚。
実際、飛行機もアテンダントは割とラフ。
飲み物のサービスもあったが割と事務的だった。
ま、国際線や長距離移動ではないのでアテンダントの気持ちもわからないではない。
日本とはサービスの質が違う。
ファーストフードよりはましだったかな。
サンフランシスコに滞在
サンフランシスコは霧の都と言われていて、ゴールデンゲイトブリッジ、ケーブルカー、アルカトラズ島、フィッシャーマンズワーフなど観光名所満載の都市である。
サンフランシスコの私にとっての魅力はその狭さだ。
だだっ広いロサンゼルスとは違い、狭い島に街を押し込めたと言う感じが東京に似ていると思った。
道幅もサンフランシスコの方が狭い。
平屋は少なく、古くても小さくてもビルが立ち並ぶので空はロサンゼルスよりも狭い。
これが安心感を生むのだと私は理解した。
レジデンスへ宿泊（ルームシェア）
KENMOREと云う宿泊施設に滞在。
シェアしたのは黒人の男性。
この人はかなりおしゃべりだったので英会話の訓練になった。
朝と晩は食事を食堂で食べられたのでそこで日本人の留学生とも仲良くなったり、韓国人もいたりしてやはり英語で話すことが多かった。
ただ一人日本人のおばちゃんがいて、この人はあまり英語を話さずに生活していた。
この宿には日本人が多く宿泊するし、日本語が堪能なスタッフもいたから事欠かない。
KENと言うイギリスの男
この食堂でKENと言う男と知り合った。
KENは大阪で英語を教えていた事もあり日本人の特性をよく知っている。
日本人が分からなくなる英語も知っているので、こちらが分からなくなると優しい英語に置き換えて喋ってくれた。
KENはAIGで働いていた。
この男、アジアの女性が好みで、手当たり次第日本人、韓国人やその他のアジア地域の女性に食堂で声を掛ける。
悪い男ではないが、アジア女性への興味はあからさまである。
サンフランシスコに友人が到着
この時点では私の方がアメリカと言う地においては数週間先輩になる。
荷物も多いだろうしレンタカーでサンフランシスコ空港まで迎えに行った。
久しぶりの友人との再会。
かつ日本語を話すのも久しぶりだった。
彼女曰く「日本語が変になっている」と指摘された。
例えばルーズソックスでお馴染みの「ルーズ」は英語では「ルース」と濁らない。
じゃあね、もアメリカに数週間だけしかいないのにByeとかSee yaとかになっていた。
彼女曰く、アメリカかぶれしている、と。
そう言われても仕方がないことで、むしろそうなっている自分を客観的に教えてくれたので、自己満足度は高かった。
KENと意気投合
KENは何故だか私のことを気に入ってくれて、たまに「俺のおごりだ！」と言ってデニーズに連れて行ってくれてコーヒーだけで2時間も3時間も粘ったことがある。
たかが知れた値段だが、おごったことを恩に着せてきたのには閉口した。
たまに自分の部屋に呼んでくれてアジアの女性を友達になると言う小冊子を見せてくれた。
インターネットなどない時代で月に１回アジアの女性の写真付きで送られてくるようで、それを俺に見せて
「この娘は俺の好みだ。お前はどうだ？」などとどうでも良い話をしてくれたが、これが英語の訓練になった。
さっきのデニーズでコーヒーをおごることに通じるが、彼はケチだった。
駐車場は契約しておらず、毎日路上駐車をしている。
もちろん合法で、駐車できる道路に停めているのだから問題ない。
1ヶ月に1度どうしても移動しなければならない時は別の地域に移動して路上駐車をしていた。
決して優良のパーキングには止めなかった。
さらに私の食事にまで文句を言い始めた。
たまにその宿泊施設以外で食事をすると「勿体無い」とか「不経済」だなどと言ってケチをつけた。
本当にケチな野郎だと思った。